「労働中の事故で重度の障害を負ってしまい、これからどうやって生活していけばいいのか…」
「労災保険は使えるのだろうか。後遺障害等級1級とは、どのような基準で認定されるのか…」
突然の労働災害によって日常生活が一変し、将来に大きな不安を抱える方やご家族にとって、正確な情報の把握と的確な対応は非常に重要です。
特に「後遺障害等級1級」に該当する重度のケースでは、認定条件や給付制度が複雑であり、判断や手続きのミスが今後の生活設計に大きく影響しかねません。
本記事では、労災保険における後遺障害等級1級について、
- 認定される範囲
- 認定させるケース
- 受けられる給付
- 認定手続きと押さえるべきポイント
- 弁護士に相談することのメリット
などを、実務に即してわかりやすく解説します。
等級認定の正確さは、今後の収入や介護体制に直結する重要な要素です。
不安や疑問を少しでも解消し、適切な補償を受け取るためにも、ぜひ最後までご覧ください。
労災の1級等級とは?
労災の後遺障害等級1級とは、労働災害によって労働能力(仕事をする力)が完全に失われたと認められる重度の障害のことを指します。
この等級に認定されるには、日常生活でも常時の介護が必要となるほどの深刻な後遺障害が残っていることが条件です。
つまり、就労が不可能であるだけでなく、日常生活にも著しい支障がある状態を意味します。
具体的には、「労働者災害補償保険法施行規則」に基づく後遺障害等級表(後遺障害の種類と重さを分類した表)において、1級に該当する症状に明確に該当する必要があります。
障害等級1級に認定される範囲
労働者災害補償保険法施行規則の表に1級に該当する項目が詳しく定められており、いずれかの要件を満たす必要があります。いずれの要件も労働能力喪失率100%の後遺症が残る場合です。下記表を詳しく見ていきましょう。
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| 障害等級1級 | 給付内容 | 身体障害 |
|---|---|---|
| 1 | 当該障害の存する期間 一年につき給付基礎日額の三一三日分 | 両眼が失明したもの |
| 2 | そしゃく及び言語の機能を廃したもの | |
| 3 | 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、常に介護を要するもの | |
| 4 | 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、常に介護を要するもの | |
| 5 | 削除 | |
| 6 | 両上肢をひじ関節以上で失ったもの | |
| 7 | 両上肢の用を全廃したもの | |
| 8 | 両下肢をひざ関節以上で失ったもの | |
| 9 | 両下肢の用を全廃したもの |
1.両眼が失明したもの

眼球亡失や、ようやく明暗を弁じ得るもの(光覚弁)も含みます。
「失明」とは
「失明」とは、眼球を亡失(摘出)したもの、明暗を弁別できないもの及びようやく明暗を弁ずることができる程度のものをいい、光覚弁(明暗弁)または手動弁が含まれます。
「光覚弁」とは
「光覚弁」とは、暗室にて被験者の眼前で照明を点滅させ、明暗が弁別できる視力をいいます。
「手動弁」とは
「手動弁」とは、検査者の手掌を被験者の眼前で上下左右に動かし、動きの方向を弁別できる能力をいいます。
「指数弁」とは
「指数弁」とは、検査者の指の数を答えさせ、それを正答できる最長距離により視力を表わすもので「1m/指数弁」(視力0.02に相当)、「50cm/指数弁」(視力0.01に相当)等と表記します。
2.そしやく(咀嚼)及び言語の機能を廃したもの

咀嚼機能の障害は、上下咬合(かみあわせ)および配列状態ならびに下顎の開閉運動等により総合的に判断します。
「咀嚼機能を廃したもの」とは、流動食以外は摂取できないものをいいます。
「言語の機能を廃したもの」とは、4種の子音のうち3種以上の発音不能のものをいいます。
3.神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、常に介護を要するもの

「生命維持に必要な身の回りの処理の動作について、常時介護を要するもの」であるとき、1級と認められ、器質性の障害と脊髄の損傷による障害が問題となります。
脳の器質性障害については、「高次脳機能障害」(器質性精神障害)と「身体性機能障害」(神経系統の障害)に区分した上で、「高次脳機能障害」の程度、「身体性機能障害」の程度及び介護の要否・程度を踏まえて総合的に判断します。
高次脳機能障害とは認知、行為(の計画と正しい手順での遂行)、記憶、思考、判断、言語、注意の持続などが障害された状態であるとされており、全般的な障害として意識障害や痴ほうも含むとされています。
(1)高次脳機能障害
生命維持に必要な身の回りの処理の動作について、常に他人の介護を要するもの
高次脳機能障害のため1級と認められるのは、「生命維持に必要な身のまわり処理の動作について、常に他人の介護を要するもの」である場合です。具体的には以下のような場合です。
- 重篤な高次脳機能障害のため、食事・入浴・用便・更衣等に常時介護を要するもの
- 高次脳機能障害による高度の痴ほうや情意の荒廃があるため、常時監視を要するもの
(2)身体性機能障害
生命維持に必要な身の回りの処理の動作について、常に他人の介護を要するもの
身体性機能障害のため1級と認められるのは、「生命維持に必要な身のまわり処理の動作について、常に他人の介護を要するもの」である場合です。具体的には以下のような場合です。
- 高度の四肢麻痺が認められるもの
- 中等度の四肢麻痺であって、食事・入浴・用便・更衣等について常時介護を要するもの
- 高度の片麻痺であって、食事・入浴・用便・更衣等について常時介護を要するもの
(3)せき髄障害
脊髄症状のため、生命維持に必要な身の回りの処理の動作について、常に他人の介護を要するもの
脊髄の損傷による障害については、「脊髄症状のため、生命維持に必要な身のまわり処理の動作について、常に他人の介護を要するもの」場合に1級と認められます。具体的には以下のような場合です。
- 高度の四肢麻痺が認められるもの
- 高度の対麻痺が認められるもの
- 中等度の四肢麻痺であって、食事・入浴・用便・更衣等について常時介護を要するもの
- 中等度の対麻痺であって、食事・入浴・用便・更衣等について常時介護を要するもの
4.胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、常に介護を要するもの

胸腹部臓器の後遺障害には、①呼吸器の障害、②循環器の障害、③腹部臓器の障害、④泌尿器の障害、⑤生殖器の障害があります。1級の場合、呼吸器の障害が問題となります。
呼吸器の後遺障害
判定方法は①動脈血酸素分圧と動脈血炭酸ガス分圧の検査結果による判定、②スパイロメトリーの結果および呼吸困難の程度による判定、③運動負荷試験の結果による判定があります。
原則として①に判定された等級に認定します。ただし、その等級が②または③により判定された等級より低い場合には、②または③により判定された等級により認定します。
①動脈血酸素分圧と動脈血炭酸ガス分圧の検査結果による障害等級の判定
以下の場合で、かつ、「常時介護が必要な場合」のとき、1級と認められます。
- 動脈血酸素分圧が50Torr以下で動脈血炭酸ガス分圧が限界値範囲内(37Torr~43Torrのもの)
- 動脈血酸素分圧が50Torr超~60Torrで動脈血炭酸ガス分圧が限界値範囲外
②スパイロメトリーの結果および呼吸困難の程度による障害等級の判定
スパイロメトリーの結果が1秒量あたり35%以下又は肺活量が40%以下の場合で、呼吸困難の程度が高度(呼吸困難のため、連続して概ね100m以上歩けないもの)の場合で、かつ、「常時介護が必要な場合」のとき、1級と認められます。
6.両上肢をひじ関節以上で失ったもの

「上肢をひじ関節以上で失ったもの」とは、次のいずれかに該当するものをいいます。
- 肩関節において、肩甲骨と上腕骨を離断したもの
- 肩関節とひじ関節との間において上肢を切断したもの
- ひじ関節において、上腕骨と橈骨及び尺骨とを離断したもの
7.両上肢の用を全廃したもの

上肢の用を廃したもの」とは、3大関節(肩関節、ひじ関節及び手関節)のすべてが強直し、かつ、手指の全部の用を廃したものをいいます。
これには上腕神経叢の完全麻痺も含まれ、腕神経叢(わんしんけいそう)とは、上肢の知覚・運動を支配している5本の神経が交わっている部分を指します。
8.両下肢をひざ関節以上で失ったもの

下肢をひざ関節以上で失ったもの」とは、次のいずれかに該当するものをいいます。
- 股関節において寛骨と大腿骨を離断したもの
- 股関節とひざ関節との間において切断したもの
- ひざ関節において、大腿骨と脛骨及び腓骨とを離断したもの
9.両下肢の用を全廃したもの

「下肢の用を全廃したもの」とは、3大関節(股関節、ひざ関節及び足関節)のすべてが強直したものをいいます。なお、3大関節が強直したことに加え、足指全部が強直したものもこれに含まれます。
併合・加重により障害等級1級に認定される範囲
単独の障害では1級の要件を満たさない場合でも、複数の障害を総合的に評価して1級と認定される制度があります。
これが「併合認定(複数の障害を合算して評価する仕組み)」や「加重認定(既存障害に新たな障害が加わった場合の評価)」です。
例えば、等級表で第2級以下に該当する後遺障害が2つ以上あるとき、それぞれが所定の条件を満たす場合には、1級と認定されることがあります。
これは、複数の障害によって労働能力が著しく制限されると判断されるためです。
実際の認定方法は以下の通りです。
■障害が2つの場合
たとえば「両足に著しい障害がある」といった重度の障害が2つある場合、それぞれが一定の基準を満たせば、1級と認定されることがあります。
■障害が3つの場合
まず軽い2つの障害を組み合わせて等級を判断し、その結果にもう1つの障害を加えて、最終的な等級が決まります。
適切な等級認定を受けるには、併合や加重の制度を理解し、必要な証拠や手続きを正確に行うことが不可欠です。
後遺障害1級に認定される可能性が高いケース
労災によって後遺障害等級1級と認定される可能性が高い代表的なケースを以下で紹介します。
視覚・聴覚の重度障害
【金属加工中の事故で両目を損傷し、両眼とも視力を完全に失うケース】
視覚に全面的に頼る行動ができなくなり、日常生活全般に深刻な支障が生じます。
【有毒ガスを吸引し、両眼の視力がほとんど見えない状態(視力が0.08以下)となり、さらに耳の障害で平衡感覚も大きく失われるケース】
視覚と聴覚の両方が大きく損なわれ、介護が必要とされます。
手足の重度障害
【交通事故により、両脚を膝より上で切断したケース】
歩行や立ち上がりが不可能となり、移動には常時介助が必要です。
【ローラーに手を巻き込まれ、両腕の関節が完全に動かなくなったケース】
食事や着替え、トイレなど日常の基本動作が自力で行えなくなります。
神経系・その他の重度障害
【高所作業中に転落し、脊髄を損傷して全身が麻痺したケース】
運動機能が完全に失われ、24時間の介護が必要な状態です。
【作業中の転倒により顔面を強打し、自力で食べ物を噛む(咀嚼)ことができなくなったケース】
食事が極端に困難となり、栄養摂取の補助が必要となります。
このように、後遺障害等級1級は、身体の中でも生命維持や日常生活に直結する機能をほぼ完全に失った状態が認定の対象です。ご自身やご家族の症状が該当する可能性がある場合は、労災や後遺障害に詳しい弁護士に相談し、正確な等級認定を受けることが重要です。
後遺障害1級で受け取れる給付と計算方法
労災で後遺障害等級1級に認定されると、主に3つの給付が支給されます。これらは長期にわたる生活支援を目的とした制度で、賃金や賞与の水準をもとに金額が決まります。
以下に、1級認定者が受け取る主な給付内容とその計算方法を解説します。
- 障害特別支給金:後遺障害等級1級に認定されると、一度だけまとめて支給される給付で、支給額は342万円に固定されています。これは、年金のように定期的に支給されるものではなく、生活の再建などに充てるための一時的な給付金です。
- 障害補償年金:労災により後遺障害等級1級と認定された場合に終身で支給される年金給付です。支給額を決める基準となるのが「給付基礎日額」で、これは被災前3ヶ月の賃金総額を暦日数で割って算出する1日あたりの金額です。この給付基礎日額に313日を掛けた金額が1年間の支給額となり、実際の支給は原則として偶数月に2か月分ずつ行われます。
- 障害特別年金:障害補償年金とは別に支給される「加算的な年金給付」です。障害特別年金の支給額は、賞与を基に算出されます。被災前1年間に支払われた賞与の合計額を365日で割って算出した「算定基礎日額」に、313日を掛けた金額が年間支給額となります。この給付は、賞与に対する補償として位置づけられており、生活補償を補完する役割を果たします。
なお、障害補償年金または傷病年金を受けている方で、日常的に介護が必要な状態にある場合は、「介護(補償)給付」も追加で支給されます。
金額は常時介護か随時介護かによって異なり、月額数万円〜10万円超の支給となるケースもあります。
労災保険法による後遺障害等級認定の手続きの流れ
ここでは労災保険法における後遺障害等級認定の手続きの流れを説明します。
業務災害や通勤災害によって障害が残った場合、適切な等級認定を受けることで給付を受けることが可能です。
ただし、認定を受けるには複数の手続きと正確な書類準備が必要です。
以下に、一般的な手続きの流れを解説します。
(1)災害発生直後の対応
災害が発生した直後は、速やかに勤務先の責任者へ報告し、原則として労災保険指定医療機関(労災保険の治療を取り扱うことを国から認められた医療機関)へ搬送されます。
指定医療機関で療養補償給付の請求書(労災治療を受けるための書類)を提出すると、治療費の自己負担は発生しません。
ただし、指定外の医療機関を利用した場合は、給付開始が遅れることがあり、治療費を一時的に立て替える必要が生じる場合があります。
(2)症状固定後の申請開始
医師が「これ以上の治療による改善が見込めない」と判断した時点、いわゆる症状固定(症状が安定し、それ以上の改善が見込めない状態)の診断を受けた後に、後遺障害等級認定の申請手続きが始まります。
(3)書類の準備と提出
症状固定後は、次の書類を所轄の労働基準監督署に提出します。
- 障害補償給付支給請求書:労災による後遺障害に関する年金や一時金を請求するための書類
- 後遺障害診断書:医師が後遺障害の内容と程度を記載した診断書
- 検査資料:X線、CT、MRIなどの画像診断結果
- 賃金台帳や給与明細:給付額の算定に使用
- 通院証明書や検査結果のコピー:書類に不備があると審査が長引く可能性があるため、正確かつ丁寧な準備が重要
(4)労働基準監督署による審査
労働基準監督署では、提出された申請書類の内容に基づいて、原則として書類審査が行われます。加えて、必要に応じて次のような調査が実施されることがあります。
- 被災者本人への調査票の送付・回収
- 会社に対する労働実態の確認
- 医療機関からの意見書の取得
- 健康保険組合等への情報照会
また、状況に応じて、被災者本人が労働基準監督署に出向き、調査官と面談を行うケースもあります。
(5)認定結果の通知
後遺障害等級の認定結果は、請求書の提出日から通常2〜3か月程度で通知されます。
通知には、認定された等級や給付の支給可否、振込口座の確認事項などが含まれます。
ただし、障害の内容が複雑な場合や調査が長期化する場合には、通知までに半年以上かかることもあります。
そのため、症状固定後はできる限り早く、かつ正確な書類を提出することが重要です。
後遺障害1級に認定されるためのポイント
後遺障害1級に認定されるためには、単に症状が重いというだけではなく、労働災害との因果関係(事故と障害との直接的な関係)や、日常生活への支障の程度、証拠書類の内容などを総合的に証明する必要があります。
認定の鍵を握るのは、医師が作成する診断書や補足資料の客観性・一貫性、そして申請書類全体としての整合性です。
以下では、後遺障害1級を目指すうえで押さえておくべき重要なポイントを解説します。
労働災害との因果関係の証明
まずは、発症した症状が業務災害や通勤災害によって直接的に生じたものであることを明確に立証する必要があります。
事故と無関係な症状や、もともとの持病(既往症)の悪化と判断された場合には、後遺障害等級の認定対象外となる可能性があります。
そのため、適切な治療や検査を継続的に受け、医師に「発症から症状固定に至るまでの経過」を詳しく記載してもらった診断書を準備することが重要です。
症状の程度と生活上の支障の証明
後遺障害1級に該当する症状には、外見からは分かりにくいものも含まれます。たとえば、高次脳機能障害(事故などによって脳に損傷が生じ、記憶力や判断力、感情制御などに支障が出る障害)のように、認知機能や感情のコントロールに問題がある場合、医師の診断書だけでは障害の全体像を把握しにくいことがあります。
このようなケースでは、家族や本人が作成した日常生活状況報告書(生活の支障を具体的に記録した書類)を提出することで、実際の生活上の困難を補足的に示すことが有効です。
認定結果に不服がある場合の対応
後遺障害等級の認定結果に納得できない場合は、審査請求(労働者災害補償保険法に基づく不服申立て制度)を行うことができます。
請求の期限は、認定結果の通知を受け取った日から3か月以内です。
審査請求で1級認定を目指す場合は、初回に提出した書類に加え、CTやMRIなどの画像検査結果や医師の追加意見書など、新たな証拠資料を用意することが重要です。
この手続は、ケースごとに判断が分かれるため、労災に詳しい弁護士への相談を検討するとよいでしょう。
このように、後遺障害1級の認定を得るには、これまで述べた各ポイントを踏まえた的確な立証と適切な書類準備が不可欠です。
できるだけ早い段階で必要な情報を整理し、状況に応じて弁護士などの助言を受けることが、円滑な認定につながります。
労災の後遺障害を弁護士に相談するメリット
労災で重い後遺障害を負った場合、弁護士に相談することで、制度の複雑さによる見落としや誤りを防ぎ、必要な補償を正確に受け取るための実務的支援を受けられます。
特に後遺障害1級に該当するような深刻なケースでは、申請の正確さや証拠の整備が補償額に直結するため、できるだけ早い段階での対応が求められます。
以下に、弁護士に依頼することで得られる主なメリットを紹介します。
労災補償を取りこぼさない
労災保険制度は、給付の種類や申請手続きが多岐にわたるため、特に1級認定のように高額な給付が関係する場合には、書類の不備や記載漏れ、計算の誤りが支給額の減少や不支給につながるおそれがあります。
弁護士は制度や補償に関する最新の実務知識に精通しており、申請書類の作成、請求額の算定、添付書類の確認までを一貫して対応します。
その結果、本来受け取れるはずの補償を確実に受給できるよう支援します。
証拠収集・治療サポートで適正な補償を確保できる
重篤な後遺障害では、事故の原因や治療経過に関する証拠の内容が、補償の可否や等級に大きく関わります。
弁護士は、労働基準監督署に対する「労災関係資料の開示請求(災害調査報告書などの開示を求める手続き)」や事故状況の調査を行い、入手可能な資料を最大限収集します。
また、診断書作成のための治療記録や経過の整理、家族の協力による生活実態の把握なども支援し、後遺障害等級認定に必要な根拠が整うよう可能な限り積み上げていきます。
示談交渉・訴訟でも不利にならない
労災に関する示談や訴訟の場面では、労働者側が制度への理解や交渉経験の乏しさから、不利な立場に置かれることがあります。
たとえば、障害の影響で職場復帰が難しくなり、会社から退職を促されるような状況では、十分な交渉ができず、不利な条件を受け入れてしまうこともあります。
弁護士が代理人として関与することで、労働基準法や裁判例などを根拠にした主張を展開し、会社と対等な立場で交渉や訴訟に臨むことが可能になります。
このように、弁護士のサポートを受けることで、煩雑な申請手続きや交渉の場面でも法的な観点から適切な判断を得ることができ、結果としてより有利な補償を受けられる可能性が高まります。
特に後遺障害1級のような重大なケースでは、できる限り早い段階で専門家に相談することが、将来の生活設計を守るうえで非常に重要です。
私たちが、お客様の利益を一番に考え、尽力いたします。
どうぞお気軽にお問い合わせくださいませ。
