労災保険の障害等級(14級)

労災の14級等級とは?

労働災害と認められると、各種の給付金が受けられることになります。

その中でも、労災により後遺障害が残ると障害補償給付金を受けることができます。

ただ、障害保障給付金を受けるためには、障害の程度に応じて細かく定められた1級から14級までのいずれかに該当する必要があります。その中でも、7級と認められるか8級と認められるかにより給付金額が大きく異なることになるのですが、それは後ほど解説します。

まずは、最も軽い14級から見ていきましょう。

労働者災害補償保険法施行規則の表に14級に該当する項目が詳しく定められており、いずれかの要件を満たす必要があります。

■労災保険の障害等級(14級)

障害等級14級給付内容身体障害
1同56日分※一回のみ一眼のまぶたの一部に欠損を残し、又はまつげはげを残すもの
2の1三歯以上に対し歯科補てつを加えたもの
2の2一耳の聴力が1メートル以上の距離では小声を解することができない程度になったもの
3上肢の露出面にてのひらの大きさの醜いあとを残すもの
4下肢の露出面にてのひらの大きさの醜いあとを残すもの
5削除
6一手の母子いがいの手指の指骨の一部を失ったもの
7一手の母子いがいの手指の遠位指節間かんせつを屈伸することができなくなったもの
8一足の第三の足指以下の一又は二の足指の用を廃したもの
9局部に神経症状を残すもの

この中でも、特に9号「局部に神経症状を残すもの」と判断される事例が多く、また認定する際の判断基準が問題となります。9号の文言の意味は「障害の存在が医学的に説明可能なもの」と一般的に解され、どの部位にどのような障害が残ったかによって、さらにその解釈が以下のように分かれます。

 

神経系統の機能又は精神の障害

「通常の労務に服することはできるが、高次脳機能障害のため、軽微な障害を残すもの」とされ、 MRI、CT等による他覚的所見は認められないものの、脳損傷のあることが医学的にみて合理的に推測でき、高次脳機能障害のためわずかな能力喪失が認められることが必要です。

 

脳の器質的損傷を伴わない精神障害

「通常の労務に服することはできるが、非器質性精神障害のため軽微な障害を残すもの」とされ、時に助言・援助が必要と判断される障害を残しているもの、例えば「職種制限は認められないが、就労に当たり多少の配慮が必要である」場合が挙げられます。

 

頭痛

通常の労務に服することはできるが、頭痛が頻回に発現しやすくなったことが必要です。

 

失調、めまい及び平衡機能障害

めまいの自覚症状はあるが、眼振その他平衡機能検査の結果に異常所見が認められないものの、めまいのあることが医学的にみて合理的に推測できることが必要です。

 

疼痛等感覚障害・疼痛

「通常の労務に服することはできるが、受傷部位にほとんど常時疼痛を残す場合、認められます。

 

疼痛以外の感覚障害

疼痛以外の異常感覚(蟻走感、感覚脱失等)が発現した場合は、その範囲が広いものに限り、認められます。

 

14級に該当すると、いくらもらえる?

給付基礎日額の56日分が、一時金として支払われます。

給付基礎日額とは、原則として労働基準法の平均賃金に相当する額をいいます。平均賃金とは、原則として、事故が発生した日の直前3か月間にその労働者に対して支払われた金額の総額を、その期間の歴日数で割った、一日当たりの賃金額のことです。

 

※試算例

例えば、月20万円の賃金を受けている人がいて、賃金締切日が毎月末日、労働災害が10月に発生した場合、給付基礎日額は、20万円×3か月÷92日(7月:31日、8月:31日、9月:30日)≒6,521円73銭となります。

なお、給付基礎日額に1円未満の端数がある場合は、これを1円に切り上げるので、今回の額は6522円になります。

したがって、労働災害により14級の後遺障害が残ったと認定された場合、障害保障給付金として

6522円×56日=365232円が支払われることになります。

TEL 050-1705-3582

PAGETOP
Copyright © 労災(労働災害) 無料相談センター All Rights Reserved.