労災保険の障害等級(3級)

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労災の3級等級とは?

次に、3級を見ていきましょう。
労働者災害補償保険法施行規則の表に3級に該当する項目が詳しく定められており、いずれかの要件を満たす必要があります。いずれの要件も労働能力喪失率100%の後遺症が残る場合です。下記表を詳しく見ていきましょう。

■労災保険の障害等級(3級)

障害等級3級給付内容身体障害
1同245日分 ※毎年支給一眼が失明し、他眼の視力が〇・〇六以下になったもの
2そしやく又は言語の機能を廃したもの
3神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの
4胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの
5両手の手指の全部を失ったもの

 

 

目の障害に関して

1 一眼が失明し、他眼の視力が〇・〇六以下になったもの

「失明」とは、眼球を亡失(摘出)したもの、明暗を弁別できないもの及びようやく明暗を弁ずることができる程度のものをいい、光覚弁(明暗弁)または手動弁が含まれます。
「光覚弁」とは、暗室にて被験者の眼前で照明を点滅させ、明暗が弁別できる視力をいいます。
「手動弁」とは、検査者の手掌を被験者の眼前で上下左右に動かし、動きの方向を弁別できる能力をいいます。
「指数弁」とは、検査者の指の数を答えさせ、それを正答できる最長距離により視力を表わすもので「1m/指数弁」(視力0.02に相当)、「50cm/指数弁」(視力0.01に相当)等と表記します。

視力の測定は、原則として、万国式試視力表によります。実際上これと同程度と認められる文字、図形等の指標を用いた試視力表または視力測定表を用いてもよいとされています。
万国式試視力表は、5mの距離にある直径7.5mmの図形(ランドルト環)を約200ルクスの明るさにおいて、その切れ目が見分けられる場合に視力を1.0とし、被検者の見分けられる最小の図形をこれと比較して、その視力を推定します。例えば、2倍の大きさの図形しか見分けられなければ視力0.5、10倍の大きさの図形しか見分けられなければ視力0.1となります。
視力」とは、矯正視力をいいます。ただし、矯正が不能な場合には裸眼視力になります。
矯正視力には、眼鏡による矯正、医学的に使用可能なコンタクトレンズによる矯正または眼内レンズによる矯正によって得られた視力が含まれます。

 

口の障害に関して

2 そしゃく又は言語の機能を廃したもの

咀嚼機能の障害は、上下咬合(かみあわせ)および配列状態ならびに下顎の開閉運動等により総合的に判断します。
「咀嚼機能を廃したもの」とは、流動食以外は摂取できないものをいいます。

「言語の機能を廃したもの」とは、4種の語音のうち、3種以上の発音ができなくなった場合をいいます。

 

神経系の障害に関して

3 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの

「生命維持に必要な身のまわり処理の動作は可能であるが、労務に服することができないもの」が3級と認められます。
高次機能障害、身体性機能障害、せき髄障害、その他の特徴的障害によって判断されます。

(1)高次脳機能障害

意思疎通能力、問題解決能力、作業負荷に対する持続力・持久力及び社会行動能力の4つの能力(以下「4能力」という。)の各々の喪失の程度に着目し、評価します。その際、複数の障害が認められるときには、原則として障害の程度の最も重篤なものに着目して評価します。
3級と認められるには、「生命維持に必要な身のまわり処理の動作は可能であるが、高次脳機能障害のため、労務に服することができないもの」である必要があり、具体的には以下のような場合です。

・4能力のいずれか1つ以上の能力が全部失われているもの
・4能力のいずれか2つ以上の能力の大部分が失われているもの

なお、4能力について「全部が失われ」たと言える場合は、以下のような場合です。

・意思疎通能力が全部失われた例 「職場で他の人と意思疎通を図ることができない」場合
・問題解決能力が全部失われた例 「課題を与えられても手順とおりに仕事を全く進めることができず、働くことができない」場合
・作業負荷に対する持続力・持久力が全部失われた例 「作業に取り組んでもその作業への集中を持続することができず、すぐにその作業を投げ出してしまい、働くことができない」場合
・社会行動能力が全部失われた例 「大した理由もなく突然感情を爆発させ、職場で働くことができない」場合

(2)身体性機能障害

「生命維持に必要な身のまわり処理の動作は可能であるが、身体性機能障害のため、労務に服することができないもの」である必要があり、中等度の四肢麻痺が認められるものが該当します。

(3)せき髄障害

「生命維持に必要な身のまわり処理の動作は可能であるが、せき髄症状のために労務に服することができないもの」である必要があり、具体的には以下のような場合です。

・軽度の四肢麻痺が認められるもの
・中等度の対麻痺が認められるもの

(4)その他の特徴的障害

(ア)外傷性てんかん
外傷性てんかんに係る等級の認定は発作の型、発作回数等に着目し、1ヵ月に2回以上の発作がある場合には、通常高度の高次脳機能障害を伴っているので、脳の高次脳機能障害に係る第3級以上の認定基準により判断されます。
(イ)失調、めまい及び平衡機能障害
生命の維持に必要な身のまわり処理の動作は可能であるが、高度の失調又は平衡機能障害のために労務に服することができない場合、3級と認められます。

 

臓器系の障害に関して

4 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの

胸腹部臓器の後遺障害には、①呼吸器の障害、②循環器の障害、③腹部臓器の障害、④泌尿器の障害、⑤生殖器の障害がありますが、3級の場合呼吸器の障害に着目して判断されます。

呼吸器の後遺障害
判定方法は①動脈血酸素分圧と動脈血炭酸ガス分圧の検査結果による判定、②スパイロメトリーの結果および呼吸困難の程度による判定、③運動負荷試験の結果による判定があります。
原則として①に判定された等級に認定します。ただし、その等級が②または③により判定された等級より低い場合には、②または③により判定された等級により認定します。

①動脈血酸素分圧と動脈血炭酸ガス分圧の検査結果による障害等級の判定
以下の場合で、かつ、「常時介護が必要な場合」及び「随時介護が必要な場合」以外のとき、3級と認められます。
・動脈血酸素分圧が50Torr以下で動脈血炭酸ガス分圧が限界値範囲内(37Torr~43Torrのもの)
・動脈血酸素分圧が50Torr超~60Torrで動脈血炭酸ガス分圧が限界値範囲

②スパイロメトリーの結果および呼吸困難の程度による障害等級の判定
スパイロメトリーの結果が1秒量あたり35%以下又は肺活量が40%以下の場合で、呼吸困難の程度が高度(呼吸困難のため、連続して概ね100m以上歩けないもの)の場合、かつ、「常時介護が必要な場合」及び「随時介護が必要な場合」以外のとき、3級と認められます。

 

手や指の障害に関して

5 両手の手指の全部を失ったもの

「手指を失ったもの」とは、おや指は指節間関節(IP)、その他の手指は近位指節間関節(PIP)以上を失ったものとされており、具体的には、次の場合がこれに該当します。
・手指を中手骨または基節骨で切断したもの
・近位指節間関節(PIP)《おや指にあっては指節間関節(IP)》において、基節骨と中節骨とを離断したもの

 

3級に該当すると、いくらもらえる?

3級に該当すると、給付基礎日額の245日分が、障害が残る限り毎年継続して支払われます。

給付基礎日額とは、原則として労働基準法の平均賃金に相当する額をいいます。平均賃金とは、原則として、事故が発生した日の直前3か月間にその労働者に対して支払われた金額の総額を、その期間の歴日数で割った、一日当たりの賃金額のことです。

 

※試算例

例えば、月20万円の賃金を受けている人がいて、賃金締切日が毎月末日、労働災害が10月に発生した場合、給付基礎日額は、20万円×3か月÷92日(7月:31日、8月:31日、9月:30日)≒6,521円73銭となります。
なお、給付基礎日額に1円未満の端数がある場合は、これを1円に切り上げるので、今回の額は6522円になります。
したがって、労働災害により7級の後遺障害が残ったと認定された場合、障害保障給付金として
6522円×245日=1597890 円が支払われることになります。

TEL 050-1705-3582

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